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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

私を診療してくれた友人は頻りに転地療養をすすめましたが私は頑としてきかず、妻も私の心に同情して、私たちは再び人工心臓の研究に取りかかりました。あの時、友人の言葉に従って置けばよかったものをと今から思えば後悔の至りです。転地療養は私のためというよりも寧ろ妻のために必要だったのです。妻は私を看病する時分に既に可なり肺を侵されて居たらしいのでしたが、彼女も私と同じく強情な性質でしたから、少しもそんな様子を私に見せませんでした。

八

人工心臓の第二段の研究、即ち一旦絶命した動物を人工心臓によって生き返らせる研究は、思ったほどむずかしいものではありませんでした。私は家兎に種々の毒物を与えて絶命せしめ、心臓の最後の搏動の止むのを待って直ちに胸廓を開き、人工心臓を備えつけて実験しましたが、死の直後五分間以内にとりかかるならば、再び家兎の意識を恢復せしめ得ることがわかったのです。然し五分以上経過すればもはや駄目でした。況んや、死んで冷たくなった死体を生き返らせることなどは、夢にも希望が持てませんでした。然し、初めて、一旦死んだ家兎を極めて簡単に甦らせ得た私たちは、あまりに呆気ない思いをしながらも、嬉しさに研究室の中を飛び廻ったものです。