Japanische Klassiker mit Furigana
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しぶえちゅうさい
渋江抽斎
Lesen Sie 渋江抽斎 (しぶえちゅうさい) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 166.525 Zeichen · 334 Bildschirme
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矢島優善はこの年二月二十八日に津軽家の表医者にせられた。初の地位に復したのである。
五百の姉壻長尾宗右衛門は、抽斎に先つこと一月、七月二十日に同じ病を得て歿した。次で十一月十五日の火災に、横山町の店も本町の宅も皆焼けたので、塗物問屋の業はここに廃絶した。跡に遣ったのは未亡人安四十四歳、長女敬二十一歳、次女銓十九歳の三人である。五百は台所町の邸の空地に小さい家を建ててこれを迎え入れた。五百は敬に壻を取って長尾氏の祀を奉ぜしめようとして、安に説き勧めたが、安は猶予して決することが出来なかった。
比良野貞固は抽斎の歿した直後から、連に五百に説いて、渋江氏の家を挙げて比良野邸に寄寓せしめようとした。貞固はこういった。自分は一年前に抽斎と藩政上の意見を異にして、一時絶交の姿になっていた。しかし抽斎との情誼を忘るることなく、早晩疇昔の親みを回復しようと思っているうちに、図らずも抽斎に死なれた。自分はどうにかして旧恩に報いなくてはならない。自分の邸宅には空室が多い。どうぞそこへ移って来て、我家に住む如くに住んでもらいたい。自分は貧いが、日々の生計には余裕がある。