Japanische Klassiker mit Furigana
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しぶえちゅうさい
渋江抽斎
Lesen Sie 渋江抽斎 (しぶえちゅうさい) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 166.525 Zeichen · 334 Bildschirme
その百五
といった。
「そうかい、そんならわたしも食べて見よう。」五百は生卵を食べた。
午になって保はいった。「きょうは久しぶりで、洗いに水貝を取って、少し酒を飲んで、それから飯にします。」
「そんならわたしも少し飲もう。」五百は洗いで酒を飲んだ。その時はもう平日の如く起きて坐っていた。
晩になって保はいった。「どうも夕方になってこんなに風がちっともなくては凌ぎ切れません。これから汐湯に這入って、湖月に寄って涼んで来ます。」
「そんならわたしも往くよ。」五百は遂に汐湯に入って、湖月で飲食した。
五百は保が久しく帰らぬがために物を食わなくなったのである。五百は女子中では棠を愛し、男子中では保を愛した。さきに弘前に留守をしていて、保を東京に遣ったのは、意を決した上の事である。それゆえ能く年余の久しきに堪えた。これに反して帰るべくして帰らざる保を日ごとに待つことは、五百の難んずる所であった。この時五百は六十八歳、保は二十七歳であった。
その百五
この年十二月二日に優が本所相生町の家に歿した。優は職を罷める時から心臓に故障があって、東京に還って清川玄道の治療を受けていたが、屋内に静坐していれば別に苦悩もなかった。