Japanische Klassiker mit Furigana
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しぶえちゅうさい
渋江抽斎
Lesen Sie 渋江抽斎 (しぶえちゅうさい) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 166.525 Zeichen · 334 Bildschirme
その六十三
朝の未醤汁も必ず二椀に限っていた。
菜蔬は最も莱を好んだ。生で食うときは大根おろしにし、烹て食うときはふろふきにした。大根おろしは汁を棄てず、醤油などを掛けなかった。
浜名納豆は絶やさずに蓄えて置いて食べた。
魚類では方頭魚の未醤漬を嗜んだ。畳鰯も喜んで食べた。鰻は時々食べた。
間食は殆ど全く禁じていた。しかし稀に飴と上等の煎餅とを食べることがあった。
抽斎が少壮時代に毫も酒を飲まなかったのに、天保八年に三十三歳で弘前に往ってから、防寒のために飲みはじめたことは、前にいったとおりである。さて一時は晩酌の量がやや多かった。その後安政元年に五十歳になってから、猪口に三つを踰えぬことにした。猪口は山内忠兵衛の贈った品で、宴に赴くにはそれを懐にして家を出た。
抽斎は決して冷酒を飲まなかった。然るに安政二年に地震に逢って、ふと冷酒を飲んだ。その後は偶飲むことがあったが、これも三杯の量を過さなかった。
その六十三
鰻を嗜んだ抽斎は、酒を飲むようになってから、しばしば鰻酒ということをした。茶碗に鰻の蒲焼を入れ、些しのたれを注ぎ、熱酒を湛えて蓋を覆って置き、少選してから飲むのである。