Japanische Klassiker mit Furigana
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しぶえちゅうさい
渋江抽斎
Lesen Sie 渋江抽斎 (しぶえちゅうさい) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 166.525 Zeichen · 334 Bildschirme
独立の表石というものは誰も知らないというのである。
これでは捜索の前途には、殆ど毫しの光明をも認めることが出来ない。しかしわたくしは念晴しのために、染井へ尋ねに往った。そして墓地の世話をしているという家を訪うた。
墓にまいる人に樒や綫香を売り、また足を休めさせて茶をも飲ませる家で、三十ばかりの怜悧そうなお上さんがいた。わたくしはこの女の口から絶望の答を聞いた。共同墓地と名にはいうが、その地面には井然たる区画があって、毎区に所有主がある。それが墓の檀家である。そして現在の檀家の中には池田という家はない。池田という檀家がないから、池田という人の墓のありようがないというのである。
「それでも新聞に、行倒れがあったのを共同墓地に埋めたということがあるではありませんか。そうして見れば檀家のない仏の往く所があるはずです。わたくしの尋ねるのは、行倒れではないが、前に埋めてあった寺が取払になって、こっちへ持って来られた仏です。そういう時、石塔があれば石塔も運んで来るでしょう。それをわたくしは尋ねるのです。」こういってわたくしは女の毎区有主説に反駁を試みた。
「ええ、それは行倒れを埋める所も一カ所ございます。