Japanische Klassiker mit Furigana
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しぶえちゅうさい
渋江抽斎
Lesen Sie 渋江抽斎 (しぶえちゅうさい) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 166.525 Zeichen · 334 Bildschirme
これが風流である。詩的である。
五郎作は少い時、山本北山の奚疑塾にいた。大窪天民は同窓であったので後にるまで親しく交った。上戸の天民は小さい徳利を蔵して持っていて酒を飲んだ。北山が塾を見廻ってそれを見附けて、徳利でも小さいのを愛すると、その人物が小さくおもわれるといった。天民がこれを聞いて大樽を塾に持って来たことがあるそうである。下戸の五郎作は定めて傍から見て笑っていたことであろう。
五郎作はまた博渉家の山崎美成や、画家の喜多可庵と往来していた。中にも抽斎より僅に四つ上の山崎は、五郎作を先輩として、疑を質すことにしていた。五郎作も珍奇の物は山崎の許へ持って往って見せた。
文政六年四月二十九日の事である。まだ下谷長者町で薬を売っていた山崎の家へ、五郎作はわざわざ八百屋お七のふくさというものを見せに往った。ふくさは数代前に真志屋へ嫁入した島という女の遺物である。島の里方を河内屋半兵衛といって、真志屋と同じく水戸家の賄方を勤め、三人扶持を給せられていた。お七の父八百屋市左衛門はこの河内屋の地借であった。島が屋敷奉公に出る時、穉なじみのお七が七寸四方ばかりの緋縮緬のふくさに、紅絹裏を附けて縫ってくれた。