Japanische Klassiker mit Furigana
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しぶえちゅうさい
渋江抽斎
Lesen Sie 渋江抽斎 (しぶえちゅうさい) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 166.525 Zeichen · 334 Bildschirme
四月二十九日に定期登城を命ぜられた。年始、八朔、五節句、月並の礼に江戸城に往くことになったのである。十一月六日に神田紺屋町鉄物問屋山内忠兵衛妹五百が来り嫁した。表向は弘前藩目附役百石比良野助太郎妹翳として届けられた。十二月十日に幕府から白銀五枚を賜わった。これは以下恒例になっているから必ずしも書かない。同月二十六日に長女純が幕臣馬場玄玖に嫁した。時に年十六である。
抽斎の岡西氏徳を娶ったのは、その兄玄亭が相貌も才学も人に優れているのを見て、この人の妹ならと思ったからである。然るに伉儷をなしてから見ると、才貌共に予期したようではなかった。それだけならばまだ好かったが、徳は兄には似ないで、かえって父栄玄の褊狭な気質を受け継いでいた。そしてこれが抽斎にアンチパチイを起させた。
最初の妻定は貧家の女の具えていそうな美徳を具えていなかったらしく、抽斎の父允成が或時、己の考が悪かったといって歎息したこともあるそうだが、抽斎はそれほど厭とは思わなかった。二人目の妻威能は怜悧で、人を使う才があった。とにかく抽斎に始てアンチパチイを起させたのは、三人目の徳であった。