Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
Lesen Sie 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 188.242 Zeichen · 380 Bildschirme
戦国の世の浅ましさ、一夫多妻、叔姪相婚、父子兄弟相鬩ぎ、骨肉互いに啄もうとしている。……愚かしいは迷信だ! 愚かしい迷信は捨てなければならない。あの三諸山の神体は、角ある蛇だと云うではないか。あの常陸の夜叉大神は、男の陽物だというではないか。伯耆美作では大猿を祭り、河内では河伯を崇めると云う。これらの迷信は捨てなければならない」
キリキリキリと轆轤車は、その間も廊下を軋って行く。
あちこちの窓からは無数の眼が、あるいは嘲けり、あるいは憐れみ、あるいは怒り、あるいは蔑み、格子越しに覗いていたが、ひそひそ互いに囁き合う。
「可哀そうな尼さんだな」――「火炙りにされるって云うじゃないか」――「血を絞られるのは未だいいよ。楽に夢のように死ねるからな」――「火炙りとは恐ろしい」
「何故そんな目に遭わされるのだろう?」――「お説教をした罰だとよ。――あの尼さんは自分から好んでこのお城へ来たんだそうだ。仏陀の力でここの人達を罪から救おうと目論んでな」
「救って貰う必要はない。俺達は大変幸福なんだからな」
「そうとも俺達は幸福だよ。生活の心配がないからな」――「立派な部屋、柔かい衣裳、うまいうまい充分の食物。