Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうこうけつじょう

神州纐纈城

国枝 史郎

Lesen Sie 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 188.242 Zeichen · 380 Bildschirme

Aozora Bunko

傴僂の小源太は立ち去ろうとした。

「どれ、それでは見舞うとしよう。小源太、提灯を点けてくれ」

「かしこまりましてございます」

やがて二人は中庭へ下り、門を潜って戸外へ出た。夜は暗く嵐は烈しく、真っ向から二人へ吹きつけて来た。

半町あまり歩いて行くと、低い小丘へぶつかった。小丘を上り、小丘を下りると、周囲を林に取り巻かれた広い空地が横仆わっていたが、そこに数にして二十軒あまりの、板壁造作の小家があった。

鍵手ヶ原の療養園である。

小源太の持った提灯の火が、その一つの小家の前で、ちょっとの間ためらったのは、錠前をまさぐっていたからで、陰気なギーという音と共に、やがて表戸がひらかれた。

一筋細い廊下があって、その正面とその左右に、都合五つの小部屋があったが、これは患者の居間なのであった。

まず小源太が先に立ち、その後から蔵人が続き、正面の小部屋にはいった時には、常陸の爺と宣るところの、葛の衣裳を着た老人も、その侍童の菊丸も、まだ寝ずに起きていた。

「園主様のお見舞いでござる」

小源太が物々しく声をかけた。

とたんに顔を上げた常陸の爺は、蔵人の顔をじっと見たが、