Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
Lesen Sie 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 188.242 Zeichen · 380 Bildschirme
と、雉の声がした。
すると、山鳩の声がした。
と、雲雀の声がした。――空の大海を流れながら、漂泊の歌を高らかにうたい、容易に啼きやまない雲雀の唄だ!
城主の眠りは醒めなかった。
万物は成長よう成長ようとしていた。一人城主の肉体ばかりは、破壊に向かって進んでいた。
恐るべきことが行われた。
一羽の雀が地に飛び下り、餌はあるまいかと見廻わした。と城主を発見した。そこで彼は無邪気に飛び、ピョンと城主の手に止まった。布は手の甲まで巻かれていた。出ているものは指ばかりであった。しかし、それは指だろうか? とにかくそれは三本しかなかった。爪もなければ肉もなかった。あるものはあざれた骨ばかりであった。しかも鉤のように曲っていた。そうしてドロドロした不気味な液が、骨の先から滲み出ていた。
それは「神聖な液」であった。膿などとは云われない。
それへ雀がさわった時、恐るべき事が行われた。
痙攣! 羽摶き! 全身麻痺! 雀は鞠のように固まった。
そうしてコロリと地へ落ちた。死骸となって落ちたのである。
間断なく花は散っていた。
光と音楽との洪水が、天と地とを溺らせていた。