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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうこうけつじょう

神州纐纈城

国枝 史郎

Lesen Sie 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 188.242 Zeichen · 380 Bildschirme

Aozora Bunko

乞食にならなければならなかった。

彼女を抱いていた老人は、悲鳴を上げて手を離した。

提灯の火がバラバラと散った。

婚礼の行列は四散した。

呼び合う声ばかりが入り乱れた。

第二の犠牲者は老人であった。彼は花嫁を抱いたばかりに「神聖な病い」に取りつかれた。

眉毛が抜け睫毛が抜け、紫斑と水腫と結節とが、彼の姿を醜いものにした。

三番目の犠牲にあげられたのは、不幸な老人の妻であった。良人の介抱をしたばかりに、同じ運命に墜落った。

その時闇の夜を明るく照らし、一団の提灯が走って来た。変を聞き知った花婿が、家族と一緒に走って来たのである。

花婿は礼装で身を飾っていたが、地に仆れている花嫁を抱いた。が、あまりの恐ろしさに、抱いた花嫁を投げ出した。

見る見る彼の男らしい姿は、恐ろしい姿に変って行った。そうして花嫁と折り重なり、癩人として横仆った。

さわってはいけない病気なのであった。それは「さわるな」の病気であった。

花嫁とそうして花婿との親は、めいめい子供達を介抱した。

で、親達も「さわるな」にさわった。

こうしていずれも同じ運命となった。

五

それは恐怖の夜であった。