Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
Lesen Sie 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 188.242 Zeichen · 380 Bildschirme
と、年長の傀儡師が云った。
「だがな、こいつは内密だが、殿にもご用意はあるのだそうだ」
「へえ、そうかなあ、初耳だが」
「宇佐美の殿様の新案で、素晴らしい仏狼機を造っているそうだ」
「誰に聞いたな、え、梶井?」若い傀儡師は眼を丸くした。
「遅れ馳せに来た松浦からな」
「どんな兵器かな? 教えてくれ」
「何を云うのだ、え、石堂、そんなことが俺に解るものか」
「どこで造っているのだろう?」
「春日山の城中だそうだ」
数人の人影が現われた。
その中には女もいた。
虚無僧、放下、修験者、瞽者、その風俗は色々であった。
つづいて幾人か現われた。人の数が十五六人になった。そのうち女が五人いた。
二人の傀儡師は立ち上がった。
「これから裾野は物騒だ。離れちゃあいけねえ、揃って行こう」
梶井というのが注意した。
「さあ引き上げだ、急げ急げ」
越後上杉家の細作は、こうして一団に塊まって、裾野の東へ横切って行った。
四辺がにわかに静かになった。啼き止めた鶯が啼き継いだ。
この時ムックリ起き上がったのは、隠れて聞いていた甚太郎であった。
三白眼を輝かせた。黐棹を素早く抱い込んだ。
「越後へ行こう、越後へ行こう」