Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうこうけつじょう

神州纐纈城

国枝 史郎

Lesen Sie 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 188.242 Zeichen · 380 Bildschirme

Aozora Bunko

この時景家は我が家の重宝楯無しの鎧を預かっていたが、それを纏い馬に騎り数千騎を率いて走り来るところを信昌公にはただ一騎樹蔭にかくれて待ちかけ給い、矢頃を計って切って放てばその矢誤たず胸にあたり、ついに叛将は殪したものの矢疵ありありと鎧に残り、楯無しの威霊を損じたため、重代の宝器に矢の立つこと家運の傾く兆しならんと、信昌公には嘆じられたが、よし自ら試みんものと、帰陣の後楯無しを着給い、善射の家臣武藤五郎七郎、小山田十郎、三枝式部、三人をして射させたところ、その矢悉く刎ね返ったと云う。何んと奇特ではあるまいかな。……つまり楯無しは武田家の守護神、武田の当主が持っていればこそその霊験は顕著ではあるが他人はこれへさわることさえならぬ。さわったが最後神罰を受けよう」

「あらたかな鎧にござります」家臣一同敬って申した。しかるに誰やら笑う者がある。声のする方を屹と見ると、高坂甚太郎が笑っている。で、信玄は不思議そうに、

「これ甚太郎、何が可笑しい?」

「私さわりましてござります。……幾度も幾度も手を触れました。しかし神罰下りませぬと見え、この通り無事にござります」

「子供の癖に大胆千万、今に神罰が下ろうぞ」