Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
Lesen Sie 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 188.242 Zeichen · 380 Bildschirme
ケ、ケ、ケ、ケ」
と笑い出したが、それは尋常の笑いではなく、すなわち変態性慾者かないしは先天的犯罪人が、時あって洩らす残忍の笑いで、さすが豪勇の信玄も竦然としたということである。
「信玄公の坊主頭、あの時はよっぽど驚いたと見える」
鍛冶屋街道を富士の方へ、甚太郎はスタスタ歩きながら、思い出し笑いをするのであった。
「何がこの世で面白いかと云って、盗人に上超すものはねえ。これこそ立派な仕事だからな。他人の物を取るんだからな。いいかえ、いいかえ、他人のものなんだ! そいつを自分の物にする! 自他無差別さ。平等不二さ。……小判、大判、太鼓判と来ては、どいつもこいつも、血眼になって儲けよう、儲けようとするんだからな。儲けると今度はひし隠しにする。そうして自分だけよい目を見て他の奴らを馬鹿にしようとする。物持ち根性って云う奴さ。そいつを横からチョロリと出て、へえ有難うと持って行くんだ。……盗んだ時の気持ちよさ。盗むまでの面白さ。ああ何んとも云えねえなあ。……第一上品な仕事だあね。頭と手先の仕事だからな。……よしあいつを盗んでやろう! そこでとっくりと考える。ああでもねえ。