Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
Lesen Sie 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 188.242 Zeichen · 380 Bildschirme
「へえさようでございますとも」
「絞ったら三升は取れるであろう」
「へ?」と甚太郎は訊き返した。
「恐らく色も鮮かであろう」
「へ?」と甚太郎はまた訊いた。
「貴様、死ぬのは恐くはないかな?」
「死ぬのは真っ平でございますよ」
「しかし所詮遁がれることは出来ぬ」
「なあに滅多に死ぬものですかい」
「いやいや所詮殺されねばならぬ」
「誰が私を殺すので?」
「水城の人達が殺すだろう」
「へえ、そうですかい、水城の人達がね」
「そうでなければ俺が殺す」
刀の柄へ手を掛けた。
「そうはいかねえ」
と云いながら、甚太郎は背後へ飛び退ったが、黐棹をピタリと構えたものである。
「ううむ」
と武士は眼を見張った。「おお貴様、槍が出来るな」
「あたりめえよ!」と甚太郎、またその気味の悪い三白眼を木洩れ陽にギラギラと輝かせたが、
「おお、お侍ふざけちゃいけねえ。ただの鳥刺とは鳥刺が違う。こう見えても侍だ。しかも武田の家臣だわえ! 鳥刺に姿を変しているのは尋ねる人があるからさ。望みもとげねえその前に生命を取られて堪るものか。……が、それにしても手前の面は随分気味の悪い面だなア。ナーニちっとも驚くものか。