Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme
平次の顔を見ると、いきなり畳へ崩折れて、赤ん坊のようにシクシク泣き始めたのです。
「どうした、お霜さん、お前さんは悪人じゃない、が、何だって、あんな大それた事をやったんだ」
「親分さん、御存じで」
「知らなくってどうするものか、――子供を隠しておいた場所が判らないんで、今まで苦労していたんだよ――大根畑には、もうお前の元の亭主の文七は居ないぜ」
平次は本当に何もかも知っている様子でした。お霜は、ただもう恐れ入って頭も上がりません。
「親分さん、とにかく、あれをお返し申します。別れた亭主の文七ですがこんな悪事を重ねさせたくもありません。二度目の百両は確かに私が取りましたが、私から主人へお返しする顔もなく、ここまで持って参りました。どうぞ、私を縛って、このお金と一緒に、お役所へ突き出して下さいまし」
お霜は極印のない小判百両を平次の前に押並べます。
「そんな事が出来るなら心配はしないよ。俺はただ、坊っちゃんが危ないから手が出せなかったんだ、どこに隠している」
「練馬の文七の兄のところに居ります」
「そうか、そいつは知らなかった。練馬の兄は何という名前だ」
「文左衛門という百姓で、私の元の亭主に似ず堅気な男でございます」