Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme
「冗談でしょう、親分」
ガラッ八をからかいながらも、銭形の平次は支度に取りかかりました。両国の活人形が泣いているというのは、どうせ勧進元のサクラに言わせる細工で、ネタを洗えば人形の眼玉へ水でも塗るんだろう――ぐらいに思ったのですが、それにしても、少し細工が過ぎて、なんとなく見逃し難いような気がしたのです。
「出かけようか、八」
「ヘエ――、本当に行ってみる気ですか、親分」
「岡っ引冥利、お倉と普賢菩薩は拝んでおけと――たった今手前が言ったじゃないか」
「お倉だけは余計ですよ、――ところで親分、行ってみるのはいいが、朝でなくちゃ泣いていませんよ」
「寝起きの機嫌の悪いお倉だ」
「お倉じゃねえ、泣くのは仏体で」
「あ、そうそう」
平次はまだからかい面ですが、気の合った親分子分は、こういった調子で話しながら、お互の微妙な心持を、残すところなく伝える術を知っているのでした。
「明日の朝にしちゃどうでしょう、親分」
とガラッ八。
「早い方がいいぜ、明日行ってみたら普賢菩薩が笑っていたなんてえのは困るだろう。そうなると、岡っ引より武者修業を差向けた方がいい」
「口が悪いな親分、もっともここから向う両国までは一と走りだから、涙の乾く前に着くかも解らない」