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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(六)結納の行方

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme

Aozora Bunko

その間の消息を八五郎はこう説明するのです。

「お政は打ち明けてお寿のせいとは言やしませんが、去年の暮には、大さらいの晩、危うく水銀を呑まされるところを、弟子の浜名屋又次郎さんに助けられ、今年の夏は涼み船から突き落されたのを、船頭に引上げられたと言いますぜ」

「なるほど、そいつは物騒だ。――それで、用心棒の代りに手前を呼んで、伯母さん困らせな小唄を仕込んでいると言ったわけか」

「早く言えばそうなんで」

「気取って遅くなんか言うから解らなくなるじゃないか」

平次もここまで聞かされると、江戸名物の小唄お政の命が心配になります。

「親分、お政は可哀想じゃありませんか。こうしているうちにも、どこから、どんな術で相手が来るか毎日ビクビクもので暮していますよ」

「お政の命を狙うのは――まさか、お寿じゃあるまい」

平次はまだこんな事を言うのでした。

若くて美しくて、ともすれば、先輩のお政の人気を奪いそうにするお寿は当面の仮想敵には相違ありませんが、この市井の芸術家お寿の、なよなよとした夕顔のような淋しい美しさと気品のある芸を知っているだけに、平次も急には疑う気にならなかったのです。