Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(六)結納の行方

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme

Aozora Bunko

「中座しなかったかい」

「ちょいと、煙草を買いに行きましたが――」

言いかけて又次郎は口を緘みました。馬道からここまでは一と走りです。煙草を買うことにして、人一人殺しに来られないはずはありません。

「煙草入は?」

「…………」

黙って平次に渡した煙草入を開けると印伝の叺には一パイ新しい刻みが詰ってあります。

平次はそれを又次郎に返すと、もう一人染物屋の勘次というのに会いました。これは又次郎よりは少し若く、夕方からガラッ八の相手をして、馬道から一歩も出なかったことが判りました。

「さア行こうか、八」

平次はそこを切り上げて、山谷の方へ向いました。

「又次郎が怪しくはありませんか、親分」

それを追っかけて囁く八五郎。

「何とも言えない。が、万事はお寿に逢ってからの事だ。――それとも、又次郎はお政を怨んででもいたのか」

「そんな事はありませんが、お政が近頃旦那の山口屋の機嫌を取りすぎるんで、又次郎も面白くない様子でしたよ。もっとも、山口屋も浮気で、お政に飽きて、山谷のお寿のところへ繁々行くようになったそうですから、お政にしてみれば、冷飯食いの又次郎の機嫌などを取っちゃいられなかったでしょう」