Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(六)結納の行方

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme

Aozora Bunko

「下手人はお寿の家から抜け毛と剃刀を盗み出し、お政を殺してからわざと掴ませたというのかい」

と万七。

「そうでも考えなければなるまいよ」

「ところが、今日は稽古が休みだ。お寿の家へ行った者は一人もありませんぜ」

お神楽の清吉は口を出しました。

「本当か、お寿」

と平次。

「…………」

お寿は悲しくもうなずきます。

「朝まで確かにあった剃刀が、誰も怪しい者の行かないお寿の家から飛出して、血染になって、新鳥越の路地の庇の上に――梯子を掛けなきゃ届かないところに投り上げてあったのはどういうわけでしょう、銭形の親分」

清吉の調子は存分に皮肉です。

「だが清吉兄哥、お政の傷は前から斬ったものじゃねえ。お寿のような華奢な女に剃刀で前から切られるのを待っているお政でもなかろうし、第一あんなに前から切っちゃ、返り血を浴びて大変だ」

「…………」

平次は板敷に崩折れたままのお寿の清らかにさえ見える姿を見やりました。どこを捜しても、血の痕などはありません。

「後ろへ廻って、右逆手で切ると、あんな具合になるが、後ろから斬られながら、お政の手はどう伸びて下手人の髪を掴むんだ」

平次は仕方噺になりました。