Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(六)結納の行方

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme

Aozora Bunko

皆んなの思いも寄らない事をしているに違いない」

「…………」

噛んで含めるような平次の言葉に、かりそめの拵え事を言ったのを愧じて、お文は丸い顎を襟に埋めました。

「ところで、お政は帰る時、髪乱れか、化粧崩れを直したはずだが――」

「え、そこの鏡台でしばらく顔を直していました」

「ギヤマンの懐中鏡があったはずだが、見せてくれないか」

「鏡台の抽斗にありますよ」

「…………」

平次は桐の枠に入れた小さいギヤマンの懐中鏡を取上げました。枠にも鏡にも何の変りもなく、裏を開けて見ると、水銀は少しこぼれておりますが、わざと取ったというほどではありません。いや掻き取ったにしてもほんの少しばかりだったのでしょう。

「近頃山口屋の主人が来るそうだが、お寿の世話でもするつもりだったのかい」

「さア――」

お文はさすがに言い渋りました。蔵前の大通と姉の情事を岡っ引の耳へなど入れたくなかったのでしょう。

「正直に言う約束じゃないか」

「それは、いろいろおっしゃって下さるそうです」

「泊って行くような事は?」

「そんな事はございません。お酒を召上がると、いい御機嫌でお帰りになります」

「それからもう一つ訊くが、今日お政がやって来たのは、何か差迫っての事であったのか」