Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme
昔から、大衆の人気を掴んだ大きい政治家には、こういった、万人をひきつける魅力があったのかもしれない。鈴木君の男っ振りのために、祝盃を挙げてもよろしい。それはともかくとして、四十年前の鈴木君は、才能からいっても、申し分のない良い記者であった。社会部に号令していた私は、もちろんまだ小説などいうものは書かず、新聞の社会部の記事に、新しい方向を開拓する野心に燃えて、そのころまで新聞の社会部などが、あまり試みなかった文芸美術や政治経済の分野にまで首を突っこみ、そういった材料を柔らかく扱って、ひとかど良い心持になったものである。
後に鈴木君が、社会党随一の財政経済通になったのも、四十年前のこの修業が素地になったのではあるまいか。当時鈴木君を動かした社会部長の私は、ひそかに誇りを持っていても差支えないわけである。
それから暫く経って、鈴木君は大正日日に走り、東京毎日に転じ、そして革命後のソ連に入国し、その旅行記を書いたりした。鈴木君の去来は、まことに端倪すべからざるものであったが、一転する毎に箔をつけ、貫禄を供え、社会運動の闘士として大きくクローズアップされるようになったのである。