Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme
「大黒屋へやったというのか」
三千両の結納は、江戸の大町人のする事にしても、少し奢りが過ぎます。
「池の端の江島屋から、馬に積んで番頭と仲人夫婦が付添い品川大黒屋まで持って行って、江島屋の番頭太兵衛や、仲人の佐野屋佐吉夫妻が立会いの上、三つの千両箱を開けてみると、こいつがみんな大粒の砂利になっていたというから驚くじゃありませんか」
「何だと? 八」
銭形平次もさすがに驚きました。江戸の街の真昼、三人も付添って行った三千両の小判が、馬の背で砂利に化けるはずはありません。
「だから行ってみて下さいよ、――三千両は目腐れ金だが――」
「大きな事を言やがれ」
一両はざっと四匁、その頃の良質の小判は一枚でも今(昭和十年頃)の相場にして六十円ぐらいにつくわけで、三千両の値打、直訳して十八万円、経済力は三十万円にも相当するでしょう。三貫と纏まった銭を持ったことのないガラッ八が、こんなことを言うのは洒落にも我慢にもなりません。
「放っておけば大黒屋の亭主は本当に首でも縊るかも知れませんよ。それに、品川小町のお関を見ただけでも、とんだ眼の法楽だ――」
「止さないか、馬鹿野郎、――品川は縄張違いだ」