Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme
「そんなにしちゃいられない」
「まア、固いことをおっしゃらずに、少しぐらいはいいじゃありませんか」
「じゃ、ほんの一と口」
平次はとうとう猪口を舐めてしまいました。
「ね、親分さん、私本当に困ってしまったんです」
「それは困るだろう」
「いえ、親分でも泊って下さらなきゃア、とてもこの家で一と晩過せそうもございません、ね、親分」
「冗談言っちゃいけない、お勢さん、お前さんは、それにしちゃ少し綺麗すぎるよ」
「まア、親分、程のいいことを」
「もうたくさん、俺はあまりいかないんだが、お勢さんの勧め上手で、とうとうこんなに酔ってしまったよ。どりゃ、もう一と廻り」
平次は立上がりかけました。
「ね、親分、お願いがあるんですが――」
お勢は言おうか言うまいかといった調子で、しばらくためらいましたが、
「本当に泊って頂けませんかしら」
ヒラリと、飛付くと平次の肩へ。
「あっ」
平次は、この美しい女郎蜘蛛を引離すのに、いい加減骨を折らされてしまいました。
「随分、情け知らずの親分ねえ、こんなに女へ恥を掻かせていいものでしょうか」
「お勢さん、冗談を言っちゃいけない。お前さんは、私が大嫌いじゃなかったかね」