후리가나로 읽는 일본 고전
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うえすぎけんしん
上杉謙信
吉川 英治
吉川 英治의 上杉謙信(うえすぎけんしん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 129,102자 · 256화면
月はこえて、もう九月の上旬である。去月の十六日、ここに陣して、すでに二十日に余る上杉軍としては、よほどな兵糧をあの山に運び上げない限り、兵糧の欠乏しはじめていることは想像できる。
決死捨身の彼の布陣も、そのあいだに、だいぶ意気は消耗したろう。必死の気も、刹那のものだ。その気負いきった鋭角を外されるとまた、ふだんの煩悩に回る。
今や謙信以下の者は、自ら潔しとなしていた無策の陣に、かえって、虚無を感じ、危惧をおぼえ、退くに退かれず、進むに進まれず、妻女山一帯を生ける屍の墓地としてしまっている。そうだ。それにちがいない。
信玄は、そう考えた。
そして、それを撃滅するには、急ぐにも当らない。むしろここ数日はなお過ごしたほうが得策であるやも知れぬとなして、ひそかに、彼が画策している啄木の戦法なるものを、手ぬかりなく配備し、また充分な効果をあげるべく、人数の割当、部将の配置、時刻、行動、地の理など、鋭意研究し、まだ準備にかかっていた。
その啄木の戦法というのは樹体の洞にふかく隠れ、容易に外に出てこない虫の群を、樹皮の側面から嘴でたたいて怯えた虫の群がぞろぞろ表面に出てくるところを、思いのまま餌として胃へ呑み下してしまうという、いわゆる啄木なる鳥の智をそのまま理念にとって、乾坤も震う一大殺戮戦を果たそうとするものだっ