후리가나로 읽는 일본 고전
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もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
柳田 国男의 木綿以前の事(もめんいぜんのこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 177,586자 · 348화면
全体に門付け物貰いの輩を、すべて人間の落魄した姿のように考えることは、やや一方に偏した観方なのかも知れない。農漁山村の定着した生業と対立して、別に彼らの間だけの動機なり目途なりが、有ったらしくも思われる節があるからである。福島県の海に面した村里には、名ある旧家でシンメ様を祀っている者が尠なくない。シンメ様というのは仙台附近でトウデ様、南部領でオシラ様というのもほぼ同じで、通例木を彫ってこしらえた人形の神である。この神を持ち伝えた家では、現在はみな困っているそうである。それはしばしばその家の女の夢枕に立って、旅に出ようと促して已まぬからで、その御告げに従わぬと病気になる。それを遁れようとすれば少なくとも年に一度、そっとこの神を背に負うて、顔を知られぬ土地を巡歴して来なければならぬ。是が何よりも迷惑なことに、今日ではなっているのである。説明は多分精神病理の側からでも付くのであろうが、とにかくに以前尋常の家庭から離脱して、この種の漂泊生活に入って行った女性には、何か拒むことのできない背後の暗示が、働いていた場合が多いようである。能の物狂いの色々の曲にも見えるように、是が他郷のいまだ信ぜざる者の間に、新たに自分の立場を見いだそうということになると、自然に物を語りまた歌舞せざるを得なかったものと思われる。