후리가나로 읽는 일본 고전
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もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
柳田 国男의 木綿以前の事(もめんいぜんのこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 177,586자 · 348화면
一八
一八
是には信仰上の隠れたる理由があったとしか考えられない。すなわち人のイハヒのために欠くべからざる特別の飲み物は、女でなくてはこれを作ることを得ないか、または女のみがこれを醸す力を、持っているように考えられていたのである。カモスという日本語は、古くはまたカムとも謂っている。沖縄の島では近い頃まで、神を祀るための酒だけは、なお若い綺麗な娘たちによく歯を清めさせ、米を嚼んでは器の中に吐き出させて、それを蓋しておいて醗酵させたものが用いられており、カミザケという語も残っていた。すなわちこの最も貴重なる酵母は、清き処女の口の中からしか求め出されぬように見ていたのである。是と同じ例はまたタヒチその他の南太平洋の島にもある。ポリネシア人の中には洋酒搬入以前、クヴァというのが唯一の催酔飲料であったが、是も或る植物の根を女に嚼ませて、木の器の中へ吐き出させたものを、後に彼女らも参加して共々に廻り飲みしたのであった。
女が酒の席に参与することは、我邦でもむしろ法則であって、九州の二三の島では、今なおその場合だけを酒盛りと呼んでいるものがある。我々の婚礼の祝宴に、酒を欠くべからざるものとした遠い原因は、茲にあるかと私は考える。