후리가나로 읽는 일본 고전
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もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
柳田 国男의 木綿以前の事(もめんいぜんのこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 177,586자 · 348화면
さては谷川の岸に菜を洗いつつ、路行く貴人に艶なる詞を送り、見いだされてその家に仕え、故郷の親兄弟を悦ばせたりしたのかも知れぬが、世降ってはそれもことごとく、あやなる物語の夢幻しに過ぎなかった。人を一時の恍惚に誘う力は有っても、自分の常の日の心細さを、紛らすには足りなかったのである。こういう女たちが好んで男女の酒盛りの席に列したがる。南の島々のように多くはいなかったが、寒い東北の辺鄙の村里にも、折々は生まれ合わせた者があった。たとえば青森県の『浅瀬石川郷土誌』にも、在所に評判の美人の歌をよくうたうものがあって、城下の青年が酒を携え、夜分潜かに遊びにくる風が、維新の頃までもあったことを記し、ここでも鶴という女がその中では殊に著名であったと謂っている。船の通いの間遠にして年々続き、風待ち日和待ちの長かった日本海側の湊場などで、こういう女性の利用せられたことはいうまでもない。おかしいことには大島のサカシとはかえさまに、此方では殺風景なゴケという名をもって、こういう女たちを呼んでいた。ゴケは「後家」などという文字を夙くから書いて、次第に夫を亡うた不幸な女のみに限るようになったが、奥羽は一般にその語の用法がはるかに広い。