후리가나로 읽는 일본 고전
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もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
柳田 国男의 木綿以前の事(もめんいぜんのこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 177,586자 · 348화면
一六
とも謂う。すなわち一かたけ、一人一度の食料であって、稗でも粟でも引割麦でも、かねて米と混淆して洗って炊ぐばかりにしてあるのを、その日働いている人の数だけ量り出すのである。掛け算は新しい技術だから尋常の主婦は利用しない。ただ一人一人外で働いている人を思い出しつつ、洩れなくその頭数を桝で算えるのである。こんな事ぐらいは嫁なり女中なりに任せたってよさそうに見えるが、固い家では決してそれをさせなかったといっている。
一六
家の囲炉裏の周囲の座も定まっていた。奥の正面の蓆を横に敷いた席が横座で、ここには主人があぐらをかく。その横座から見て右の側が客座、客の無い日には長男も聟もここに坐った。それと相対する向う側はカカ座、また腰元ともたな元とも謂い、九州では茶煮座とも謂って、争う者のない家刀自の座席である。この夫婦の間にある一隅に、普通は鍋敷があってここで惣菜を煮た。盛るのは当然に主婦の権限で、家を譲った母さえも手は出さぬ。娘が多ければ少し引下ってそのまわりに坐り、嫁は勿論その中に交っている。或る家では姑のちょっと席を立っているうちに、嫁が杓子を握ったという咎により離縁をされたという一つ話もある。