후리가나로 읽는 일본 고전
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
吉川 英治의 三国志(一)(さんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 309,839자 · 622화면
墻といっても匪賊に備えるためこの辺では、すべてといってよい程、土民の家でも、土の塀か、石で組上げた物でできていたが、劉家だけは、泰平の頃に建てた旧家の慣わしで、高い樹木と灌木に、細竹を渡して結ってある生垣だった。
だから、背の高い張飛は、首から上が、生垣の上に出ていた。劉備の庭からもそれが見えた。
ふたりは顔を見合って、
「おう」
「やあ」
と、十年の知己のように呼び合った。
「なんだ、ここか」
張飛は、外から木戸口を見つけてはいって来た。ずしずしと地が鳴った。劉家はじまって以来、こんな大きな跫音が、この家の庭を踏んだのは初めてだろう。
「きのうは失礼しました。君に会ったことや、剣のことを、母に話したところ、母もゆうべは歓んで、夜もすがら希望に耽って、語り明かしたくらいです」
「あ。こちらが貴公の母者人か」
「そうです。――母上、このお方です。きのうお目にかかった翼徳張飛という豪傑は」
「オオ」
劉備の母は、機の前からすっと立って張飛の礼をうけた。どういうものか、張飛は、その母公の姿から、劉備以上、気高い威圧をうけた。
また、実際、劉備の母にはおのずから備わっている名門の気品があったのであろう。