후리가나로 읽는 일본 고전
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
吉川 英治의 三国志(一)(さんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 309,839자 · 622화면
四
と、――彼の行動が遅いので、早くしろとうながすように、外の者は焦れているのであろう。高窓から垂れている縄が左右に動いた。そして縄の端に結いつけてあった短剣が、白い魚のように、コトコトと瓦の床を打って躍った。
四
足の先で、短剣を寄せた。そしてようやく、それを手にして、自身の縄目を断ち切ると、劉備は、窓の下に立った。
(早く。早く)といわんばかりに、無言の縄は外から意志を伝えて、ゆれうごいている。
劉備は、それにつかまった。石壁に足をかけて、窓から外を見た。
「……オオ」
外にたたずんでいたのは、昼間、ただひとりで曲に腰かけていたあの老僧だ。骨と皮ばかりのような彼の細い影であった。
「――今だよ」
その手がさしまねく。
劉備はすぐ地上へ跳びおりた。待っていた老僧は、彼の身を抱えるようにして、物もいわず馳けだした。
寺の裏に、疎林があった。樹の間の細道さえ、銀河の秋はほの明るい。
「老僧、老僧。いったいどっちへ逃げるんですか」
「まだ、逃げるのじゃない」
「では、どうするんです」
「あの塔まで行ってもらうのじゃよ」
走りながら、老僧は指さした。
見るとなるほど、疎林の奥に、疎林の梢よりも、高くそびえている古い塔がある。