후리가나로 읽는 일본 고전
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
吉川 英治의 三国志(一)(さんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 309,839자 · 622화면
故園
一
別れにのぞんで、主の劉恢は、落魄の豪傑玄徳らのために別離の小宴をひらいて、さていうには、
「また、時をうかがって、この地へぜひ戻っておいでなさい。お連れになってきた二十名の兵や下僕たちは、それまでてまえの邸に預かっておきましょう。そして今度お見えになった時こそ、再起のご準備におかかりなさい。黄巾の乱は小康を得ても、洛陽の王府そのものに自潰の兆しがあらわれてきています。せっかく、自重自愛して、どうか国家のために尽してください」
「ありがとう」
四人は起って乾杯した。
劉恢のいうように、ここへくる時連れて来た二十名ばかりの一族郎党の身は、皆、劉家に託しておいて、関羽、張飛、玄徳、思い思いに別れて一時身をかくすこととなった。
が――劉家の門を出る時は、三人一緒に出た。世間の眼もあるので、劉恢はわざと見送らなかった。けれど、邸内の楼台から三名の姿が遠くなるまで独り見送っている美人があった。いうまでもなく芙蓉娘であった。
張飛は知っていた。
しかし、わざと何もいわなかった。玄徳も黙々と歩いていた。
もう五台山の影も後ろに遠く霞んでから、張飛がそっと玄徳へいった。