후리가나로 읽는 일본 고전
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
吉川 英治의 三国志(一)(さんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 309,839자 · 622화면
五
「えっ。……賊?」
「旦那も、交易した一人でしょう。奴らが、まっ先に狙うのは、今夜泊った仲買たちです。次にはわしらの番だが、はやく裏口からお逃げなさい」
劉備はすぐ剣を佩いた。
裏口へ出てみるともう近所は焼けていた。家畜は、異様なうめきを放ち、女子どもは、焔の下に悲鳴をあげて逃げまどっていた。
昼のように大地は明るい。
見れば、夜叉のような人影が、矛や槍や鉄杖をふるって、逃げ散る旅人や村の者らを見あたり次第にそこここで殺戮していた。――眼をおおうような地獄がえがかれているではないか。
昼ならば眼にも見えよう。それらの悪鬼は皆、結髪のうしろに、黄色の巾をかりているのだ。黄巾賊の名は、そこから起ったものである。本来は支那の――この国のもっとも尊い色であるはずの黄土の国色も、今は、善良な民の眼をふるえ上がらせる、悪鬼の象徴になっていた。
五
「ああ、酸鼻な――」
劉備は、つぶやいて、
「ここへ自分が泊り合せたのは、天が、天に代って、この憐れな民を救えとの、思し召かも知れぬ。……おのれ、鬼畜どもめ」
と、剣に手をかけながら、家の扉を蹴って、躍りだそうとしたが、いや待て――と思い直した。