후리가나로 읽는 일본 고전
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
吉川 英治의 三国志(一)(さんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 309,839자 · 622화면
「北へ、北へ!」
と、指して歩行の号令をかけ、そしてまた黙々と、歩みつづけた。
「あア――、あ、あ」
張飛は、大あくびして、
「いったい、なんのために、俺たちは戦ったんだい。ちっともわけが分らない。――こうなると一刻もはやく、※(「さんずい+(冢-冖)」、第3水準1-86-80)県の城内へ帰って、市の酒屋で久しぶりに、猪の股でもかじりながら、うまい酒でも飲みたいものだ」と、いった。
関羽は、苦い顔して、
「おいおい、兵隊のいうようなことをいうな。一方の将として」
「だって、俺は、ほんとのことをいっているんだ。嘘ではない」
「貴様からして、そんなことをいったら、軍紀がゆるむじゃないか」
「軍紀のゆるみだしたのは、俺のせいじゃない。官軍官軍と、なんでも、官軍とさえいえば、意気地なく恐がる人間のせいだろ」
不平満々なのである。
その不平な気もちは、玄徳にも分っていた。玄徳もまた、不平であったからだ。そしてひと頃の張り切っていた壮志のゆるみをどうしようもなかった。彼は、女々しく郷里の母を想い出し、また、思うともなくい鴻芙蓉の麗しい眉や眼などを、人知れず胸の奥所に描いたりして、なんとなく士気の沮喪した軍旅の虚無と不平をなぐさめていた。