후리가나로 읽는 일본 고전
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
吉川 英治의 三国志(一)(さんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 309,839자 · 622화면
二
誰にも、故郷がある。姉妹兄弟がある。玄徳は思いやって、
「故郷へ手紙をやりたい者は、わしの手もとへ持ってこい。親のある者は、親へ無事の消息をしたがよいぞ」と、いった。
兵たちは、それぞれ紙片や木皮へ、何か書いて持ってきた。玄徳はそれを一嚢に納めて、実直な兵を一人撰抜し、
「おまえは、この手紙の嚢をたずさえて、それぞれの郷里の家へ、郵送する役目に当れ」
と、路費を与えて、すぐ立たせた。
そして落日に染まった黄河を、騎と兵と荷駄とは、黒いかたまりになって、浅瀬は徒渉し、深い所は筏に棹さして、対岸へ渡って行った。
二
先頃から河南の地方に、何十万とむらがっている賊の大軍と戦っていた大将軍朱雋は、思いのほか賊軍が手ごわいし、味方の死傷はおびただしいので、
「いかがはせん」と、内心煩悶して、苦戦の憂いを顔にきざんでいたところだった。
そこへ、
「潁川から広宗へ向った玄徳の隊が、形勢の変化に、途中から引っ返してきて、ただ今、着陣いたしましたが」と、幕僚から知らせがあった。
朱雋はそれを聞くと、
「やあ、それはよい所へ来た。すぐ通せ、失礼のないように」
と、前とは、打って変って、鄭重に待遇した。