후리가나로 읽는 일본 고전
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
吉川 英治의 三国志(一)(さんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 309,839자 · 622화면
――わあっ。わあっ。
と、烈風も圧するような鬨の声がきこえた。寄手は皆地へ伏し、眼をふさぎ、耳を忘れていたが、その声に振り仰ぐと、山峡の絶巓はいくらか平盤な地になっているとみえて、そこに賊の一群が見え「地公将軍」と書いた旗や、八卦の文を印した黄色の幟、幡など立て並べて、
「死神につかれた軍が、またも黄泉へ急いで来つるぞ。冥途の扉を開けてやれ」
と、声を合わせて笑った。
その中に一人、遠目にもわかる異相の巨漢があった。口に魔符を噛み、髪をさばき、印をむすんでなにやら呪文を唱えている容子だったが、それと共に烈風は益※(二の字点、1-2-22)つのって、晦冥な天地に、人の形や魔の形をした赤、青、黄などの紙片がまるで五彩の火のように降ってきた。
「やあ、魔軍が来た」
「賊将張宝が、呪を唱えて、天空から羅刹の援軍を呼び出したぞ」
朱雋の兵は、わめき合うと、逃げ惑って、途も失い、ただ右往左往うろたえるのみだった。
張飛の督戦も、もう効かなかった。朱雋の兵があまり恐れるので、義軍の兵にも恐怖症がうつったようである。そして風魔と砂礫にぶつけられて、全軍、進むことも退くこともできなくなってしまった時、赤い紙片や青い紙片の魔物や武者は、それ皆が、生ける夜叉か羅刹の軍のように見えて、寄手は完全に闘志を失ってしまった。