후리가나로 읽는 일본 고전
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
吉川 英治의 三国志(一)(さんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 309,839자 · 622화면
「いや、ある、ある」
突然、張飛が、自問自答して云いだした。
「攻め口が、ほかにないとはいわさん。長兄、一策があるぞ」
「どうするのか」
「あの絶壁を攀じ登って、賊の予測しない所から不意に衝きくずせば、なんの造作もない」
「登れようか、あの断崖絶壁へ」
「登れそうに見える所から登ったのでは、奇襲にはならない。誰の眼にも、登れそうに見えない場所から登るのが、用兵の策というものであろう」
「張飛にしては、珍しい名言を吐いたものだ。その通りである。登れぬものときめてしまうのは、人間の観念で、その眼だけの観念を超えて、実際に懸命に当ってみれば案外やすやすと登れるような例はいくらでもあることだ」
さらに、三名は、密議をねって、翌る日の作戦に備えた。
朱雋軍の兵、約半分の数に、おびただしい旗や幟を持たせ、また、銅鑼や鼓を打ち鳴らさせて、きのうのように峡門の正面から、強襲するような態を敵へ見せかけた。
一方、張飛、関羽の両将に、幕下の強者と、朱雋軍の一部の兵を率きつれた玄徳は、峡門から十里ほど北方の絶壁へひそかに這いすすみ、惨澹たる苦心のもとに、山の一端へ攀じ登ることに成功した。