후리가나로 읽는 일본 고전
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
吉川 英治의 三国志(一)(さんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 309,839자 · 622화면
……いったいなんだねそれは」
「おっ母さん、実は、これですよ」
錫の小さい茶壺を取出して、劉備は、卓の上に置いた。
「洛陽の銘茶です。……おっ母さんの大好きなお茶です。……あしたの朝は、うんと早起きしましょう。そしておっ母さんは、裏の桃園に莚をお敷きなさい。私は驢に乗って、ここから四里ほど先の鶏村まで行くと、とてもいい清水の湧いている所がありますから、番人に頼んでひと桶清水を汲んできます」
「…………」
母は眼をまるくしたまま錫の小壺を見つめて、物もいえなかった。ややしばらくしてから怖い物でもさわるように、そっと掌に乗せて、壺の横に貼ってある詩箋のような文字などを見ていた。そして大きな溜息をつきながら、眼を息子の顔へあげて、
「阿備や。……お前、いったいこれは、どうしたのだえ」
声までひそめて訊ねるのだった。
劉備は、母が疑いの余り案じてはならないと考えて、自分の気持や、それを手に入れたことなど、噛んでふくめるようにして話して聞かせた。民間ではほとんど手に入れがたい品にはちがいないが、自分が求めたのは、正当な手続きで購ったのだから少しも懸念をする必要はありません――とつけ加えていった。