후리가나로 읽는 일본 고전
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うえすぎけんしん
上杉謙信
吉川 英治
吉川 英治의 上杉謙信(うえすぎけんしん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 129,102자 · 256화면
「ここへ来てから、いつにないお館の念入りな御思案ではある。こんどに限って、なぜ電撃な御命令が出ないのか」
と、みな怪訝っているという点にある――と称していた。
信茂の不審は、あながち彼だけの不審ではなかった。甲府発向はあのように一刻をも争いながら、この広大な盆地に臨んでからの信玄は、あたかもわざと道草でもするように、犀川に沿い、千曲の急流を測り、山に拠ってみたり、丘を擁して兵馬を休めてみたり、容易に、その拠るところの全陣地が定まらないもののように見えた。
二十四日に至って、漸く信玄はその本陣を、
「ここ」
と、決意したらしい。
それは更級郡の一部、信里村の一丘。茶臼山と土地の者の呼んでいる高地である。
武田家の軍旗、一丈八尺の紺地に、
疾如レ風。 徐如レ林。
侵掠如レ火。不レ動如レ山。
と、金色の文字を二行にしるしたものと、一丈三尺の真っ赤な幟に、
南無諏訪南宮法性上下大明神
と一行に書かれてあるものとがそこに立てられた。
信玄は、その旌旗の鳴りやまぬ秋風の下に、床几をすえさせて、極めて、静かな眸をしていた。充分に眠りを摂ったあとのように何の濁りもない眼であった。