후리가나로 읽는 일본 고전
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もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
柳田 国男의 木綿以前の事(もめんいぜんのこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 177,586자 · 348화면
一人で永くいる者がみなゴケであり、茶汲み茣蓙敷きに老いたる男と添う者もゴケであった。つまりは契りを籠めた只一人の若者に縋って、純なる夫婦のかたらいを持続する力の無い、あわれなる者という意味にほかならぬのである。そういう人たちの無くて済む社会はたしかに望ましいのだが、いかにせん外からも内からも、こういう一時の伴侶を要求したのみならず、彼らもまた是によって盛りの日の淋しさを凌いだのである。固より老後の計りごとは立っているはずがない。それ故に身のよすがを求めるために人の心を試み、またはあすの日の定め難さを悲しみ憂うるような歌ばかりが、次第に彼らの間から生まれて来たのである。彼らの漂泊にはむしろ明白すぎるほどの動機があった。若く花やかな年頃には、人に騒がれて親の家にでも止まり得た。数が少なければいわゆる村ゾレとなって、一生を送ることもできたが、すがれて浮草のさそう水もなくなると、かえって群をなして遠く天涯の旅をも試みなければならなかったのである。是が曾良などの眼を留めた、遊女の田舎わたらいであったろうと思われる。
是まで遊女の歴史を書いている人々が、文書の中にもちゃんと史料が見えているにもかかわらず、とかく彼らの個人的な境遇のみに目をつけて、群の生活ということを省みなかったのは、おかしな今風の物の見方であった。