후리가나로 읽는 일본 고전
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もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
柳田 国男의 木綿以前の事(もめんいぜんのこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 177,586자 · 348화면
四
小家の侘しい物の香も、源を辿ればこの木の御器のなげきであった。その中へ米ならば二合か三合ほどの価をもって、白くして静かなる光ある物が入って来た。前には宗教の領分に属していた真実の円相を、茶碗というものによって朝夕手の裡に取って見ることができたのである。是が平民の文化に貢献せずして止む道理はない。昔の貴人公子が佩玉の音を楽んだように、かちりと前歯に当る陶器の幽かな響には、鶴や若松を画いた美しい塗盃の歓びも、忘れしめるものがあった。それが貧しい煤けた家の奥までも、ほとんと何の代償も無しに、容易に配給せられる新たな幸福となったのも時勢であって、この点においては木綿のために麻布を見棄てたよりも、もっと無条件な利益を我々は得ている。しかも是が何人の恩恵でもなかったが故に、我々はもうその嬉しさを記憶していない。偶然とは言いながらも是ほど確乎たる基礎のある今日の新文明を、或いは提督ペルリが提げてでも来たもののように、考える人さえあったのである。
四
木綿の威力の抵抗し難かったことは、或る意味においては薩摩芋の恩沢とよく似ている。この藷なかりせば国内の食物は夙に尽きて、今のごとく人口の充ち溢れる前に、外へ出て生活のたつきを求めずにはいられなかったろう。