후리가나로 읽는 일본 고전
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
吉川 英治의 三国志(一)(さんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 309,839자 · 622화면
天下のどこに一人の飢民でもあるか、今の時代を乱兆と悲しむいわれがあるのか、この殷賑に立って、旺なる夕べの楽音を耳にし、万斛の油が一夜にともされるという騒曲の灯の、宵早き有様を眺むれば、むしろ、世を憂え嘆く者のことばが不思議なくらいである。
けれど。
二十里の野外、そこに連なる外城の壁からもし一歩出てみるならば、秋は更けて、木も草も枯れ、いたずらに高き城壁に、蔓草の離々たる葉のみわずかに紅く、日暮れれば花々の闇一色、夜暁ければ颯々の秋風ばかり哭いて、所々の水辺に、寒げに啼く牛の仔と、灰色の空をかすめる鴻の影を時たまに仰ぐくらいなものであった。
そこに。
無口に屯している人間が、枯れ木や草をあつめて焚火をしながら、わずかに朝夕の霜の寒さをしのいでいた。
玄徳たちの義軍であった。
義軍は、外城の門の一つに立って、門番の役を命じられている。
といえば、まだ体裁はよいが、正規の官軍でなし、官職のない将卒なので、三軍洛陽に凱旋の日も、ここに停められて、内城から先へは入れられないのであった。
鴻が飛んでゆく。
野芙蓉にゆらぐ秋風が白い。
「…………」
玄徳も関羽も、この頃は、無口であった。