일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

吉川 英治의 三国志(一)(さんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 309,839자 · 622화면

아오조라 문고

ここに、南陽の太守で、袁術という者がある。

袁紹の弟である。

かつては、兄袁紹の旗下にあって、兵糧方を支配していた男だ。

南陽へ帰ってからも、兄からはなんの恩禄をくれる様子もないので、

「怪しからぬ」と、不平でいっぱいだった。

彼は、書面を送って、

「先頃からの賞として、冀北の名馬千匹を賜わりたい。くれなければ考えがある」

と兄へ申入れた。

袁紹は、弟の強請がましい恩賞の要求に、腹を立てたか、一匹の馬も送ってよこさないばかりか、それについての返辞も与えなかった。

袁術は大いに怨んで、それ以来、兄弟不和となっていたが、兵馬の資財はすべて兄のほうから仰いでいたので、たちまち、経済的に苦しくなって来た。

で、荊州の劉表へ使いをやって、兵糧米二万斛の借用を申しこむと、劉表からも態よく断られてしまった。

「こいつも兄の指し金だな」

袁術は、憤怒を発して、とうとう自暴自棄の兆をあらわした。

彼の密使は、暗夜ひそかに、呉へ渡って、呉の孫堅へ一書を送った。

文面は、こうであった。

異日、印を奪わん為、洛陽の帰途を截ち、公を苦しめたるものは袁紹の謀事なり。今また、劉表と議し、江東を襲って、公の地を掠めんと企つ。