후리가나로 읽는 일본 고전
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うえすぎけんしん
上杉謙信
吉川 英治
吉川 英治의 上杉謙信(うえすぎけんしん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 129,102자 · 256화면
「関東のしめしを統べる管領たるわたくしに、その力がなく、四隣御多事のなかを、遠く御援軍を仰ぎ、恐縮にたえませぬ」
と、いった。
謙信は、彼の心事を察して、
「あなたからそんなお言葉を聞こうとて、申したわけではない。わるくおとり下さるな」
と、なぐさめた。
積年の宿敵、甲斐の信玄とは、三年前の永禄元年、ひとまず和議が成って、
(今後は善隣として)
と、親睦の約定をとりむすんである。
だから表面、越軍にとって、この方の患はまずないように見えるものの、結果としては、かえって、干戈を交えていたときよりも、彼の敵性は、陰性となり、謙信にとって、始末のわるいものとなっていた。
信玄の政治的手腕は、あの峡山の国にありながら、実によく諸国の内部へまで喰いこんでいる。わけてその外交的な遠謀と智慮にかけては、若い謙信のごとき、到底、あの百錬の功を経た緋衣の僧将の頭脳には敵すべきもなかった。
去年、越中へ出征したのも、富山城の神保一族がうるさく国境を侵すので一揉みにふみ潰すべく出馬したものであったが、平定の後、それらの残党どもを縛りあげてみると、信州訛りの者がたくさん兵の中にいたり、信玄の息がかかっている門徒の僧兵が交じっていたり、また、常に往来した機密文書などが無数に発見され、結局これも、躍らされた信玄の影――なるものであった