후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
うえすぎけんしん
上杉謙信
吉川 英治
吉川 英治의 上杉謙信(うえすぎけんしん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 129,102자 · 256화면
きのう昼のうちから徐々に茶臼山を降りていた武田信玄の総軍は、布施五明、篠井村をこえて、ここ雨宮の渡しを前に、夜のうちに移行して、今朝見れば、中軍一団をまん中にして、十二軍団を五行に展き、
(妻女山の謙信にもの申さん)
といわぬばかり、無数の旌旗を植えならべて、陣々、鮮やかにその旗印をさえ敵の目に見せつけて来たのであった。
(近々と来つるものかな!)
と、妻女山でも、今朝は、朝雲の断れ間に洩る陽に、それを発見するなり、眼をみはり、小手をかざしているにちがいない。
俄然、甲軍のこの物々しい意志表示に対して、今のところまだ妻女山そのものは、朝霧の中にぼうとつつまれて、夜来の陣営はいと物静かに、殆ど眼醒めているような気はいすら望見できなかった。
しかも、そこと、こちら側との、距離はといえば、実に近い。
ここら辺り川幅は広いが、千曲の一水を渡れば、すぐ向うの岸は、妻女山の裾といってもよい。
それと――
やがて陽の高くなって来る程、両軍の距離感は縮められて来る。甲軍の旌旗を煙らしていた朝霧も、妻女山の黄葉や緑や紅葉をぼかしていた白い霧も、次第に霽れあがって、お互いの位置から、お互いの哨兵のうごきや繋ぎ馬の影などが、眺め合えるくらいにまで大気が澄んで来たからである。