후리가나로 읽는 일본 고전
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うえすぎけんしん
上杉謙信
吉川 英治
吉川 英治의 上杉謙信(うえすぎけんしん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 129,102자 · 256화면
それは将来へ大志をいだく謙信が彼に承知で失踪をゆるしたものだといわれている。が、主従の黙契があったや否やはべつとして、弥太郎は少なくもそれから二、三年間は諸国の武備や築城などを見て廻った。後にいうところの武者修行をしていたのである。
そして、いつのころからか、甲府にいた。もちろんそんな使命をおびている者としての入国はむずかしい。城下の鉄砲鍛冶の火土捏ねをしていたのだ。左官職にひとしい泥だらけな手をして、筒金を焼く火土を築いたり吹鞴の手伝いなどしていた。
甲館に出入りする武田家の武将が、時々、馬上や平服のままで、この家の前を通る。その中に、初鹿野伝右衛門の眼があった。或る時、彼の屋敷から注文のあった鉄砲を、白あばたの男に届けさせてくれとわざわざ指名でいってきた。
弥太郎は、それを届けた。けれど邸内の者に渡しただけで、その場から山越えで甲州を去ってしまったのである。門の内まで入れば、立ちどころに縄目をうけることを、彼もまた未然に覚っていたからである。
しかし、それだけでも、伝右衛門の情といえば情といえる。彼に、必縛の気があるなら、鍛冶の家を直接包囲すれば遁さなかっただろうし、また後から騎馬の追手を飛ばせば、弥太郎もついに国外へ遁れきれなかったかもしれないのである。