후리가나로 읽는 일본 고전
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もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
柳田 国男의 木綿以前の事(もめんいぜんのこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 177,586자 · 348화면
このあいだも旧友の一人に逢って、その細君が小娘の頃、ひらひらの簪などを挿して、長煙管をくわえていたことを思い出しておかしかった。この婦人の里は村の旧家で、広々とした囲炉裏の間にめったに人も来ず、それにおかあさんが心配の多い人で、始終煙草で憂いを忘れようとしていたらしいから、そのお相手をしていて覚えたのかと思われる。今一つの記憶は、これももう老婆になっている親類の家内が、嫁に来たときには私の家を中宿にした。どんなお嫁さんかと思って挨拶に出て見ると、それはそれは美しい細い銀煙管で、白い小さな歯を見せて煙草をのんでいた。こういう光景はもうおそらくは永久に見ることができぬだろうと思う。
数年前に私の家のオシラ様を遊ばせに、奥州の八戸から来てくれた石橋おさだというイタコは、何がすきかと聴いたら煙草だと即座に答えた。この女は十五の年にはもう煙草を吸っていた。だんだんと眼が悪くなってきたとき、何とか院の法印さんが祈祷をしてやるから、煙草を断ちますという願掛けをせよと教えてくれたけれども、私は見えなくなってもようござんすからと謂って止めなかった。そうしてついに巫になったのだから、この女などは少しかわっている。