후리가나로 읽는 일본 고전
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まつのやろはち
松のや露八
吉川 英治
吉川 英治의 松のや露八(まつのやろはち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 125,597자 · 253화면
今も、ぽつねんと、彼は箪笥の鐶に倚りかかっていた。置き炬燵をした膝の上には、五ツくらいな女の子が、無邪気な顔して眠っている。いや無邪気といえば、子供ばかりではなく、露八自身も涎を垂らして、時々桐箪笥に背中を辷らせては、吃驚したように、渋い眼をしばだたく。
お蔦の好きなかくやの新香も刻んでおいたし、茶棚には銚子も二本並べてあって、首を抓んで燗銅壺に入れさえすれば、赤い座蒲団に坐ったきりで、そのまま、寝酒を酌むばかりに、やがて帰って来る人のためにすっかり支度が出来ているのである。だから、安心しきって居眠っているように、露八は、腹の底から涎を出している。そして時々、箪笥の鐶に、頭をぶっつけた。
頭といえば、露八の頭も、いつか髪がのびて、本田に結っていた。長門海峡に、外国軍艦の砲撃を浴びてからよけい殺伐になった、この下ノ関では、町人や船頭までが、志士の風俗や言語を真似、今時、為永本の色男か、蔵前の亡びた通人でもなければ結わない細本田などに結って納まっている男は、露八のほかに、たんとなかった。
だから、唄といえば、高杉晋作が作ったとか、山県狂介が流行らせたとかいう奇兵隊節に限っていて、一夜に千金の豪遊はやるが、そこから洩るるのを聞けば、