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さんまいつづき
三枚続
泉 鏡花
「大阪毎日新聞」1900(明治33)年8月9日~9月27日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 63,572 字 · 124 页
私等が畠のよ、勝山さんのお夏さんを何だと思ってるんだ、何と見損いやあがったい、いけ巫山戯た真似をしやあがって、何だ小股がしまってりゃ附合がむずかしい? べらぼうめ、憚んながら大橋からこっちの床屋はな、山の手の新店だっても田舎の渡職人と附合はしねえんだ、おともだち、お気の毒だが附合はこっちでお断だ。
それもよ、行儀なら行儀をしつけようてえ真実からした事なら、どうせお前達はお夏さんにゃあお師匠様だ、先生だ、私が紋床の拭掃除をするのと異りはねえ、体操でも何でもすら。そうじゃあねえか、これがな、お前か、婆か、またこの御新造様なら仔細はねえ、よしんば仔細があった処で泣く子と地頭だ、かれこれいって来る筋じゃあねえ。へん、何曜日とやらの午後でなくっちゃあ面あ出さねえとおっしゃる方が、少しばかり実のある紙包が出ると、たちまちおひきつけへ出てござって、どうだい、下剃のこの愛的を団扇で煽ぐだろうじゃねえか。第一、婆の空お世辞が気にくわねえや、何ていう口つきだ、もう一度あの、ふァふァを遣らねえか。いや、譬えようのない異変な声だぜ、その饒舌る時の歯ぐきの工合な、先生様の嫌な目つきよ、奥方のこの足のうらまでちゃんと探鑿が届いて、五千疋で退治に来たんだ、さあ、尋常に覚悟をしやがれ、此奴等!」