轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ふれんぞくさつじんじけん

不連続殺人事件

坂口 安吾

「日本小説 第一巻第三号~第二巻第七号」1947(昭和22)年8月1日~1948(昭和23)年8月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 页

青空文庫

「そのときフラスコの飲みものを召上りましたか」

「ええ、飲みました。いくらも残っていなかったのです」

「あの飲み物は何ですか」

「ゲンノショウコ。王仁さんは丈夫そうで、胃が悪いのです。お茶の代りに毎日ガブガブ、ゲンノショウコを召上る習慣でした」

「失礼ですが、あなたはちょッとよその部屋へ行かれるにもライターを持ってお出かけですか」

「いつもそうとは限りません。でも、王仁さんはタバコを召上らないのです。私も昨夜はライターを持たずにでかけたのです。するとドアに鍵がかかっていたのです。それで一度は戻ったのですが、考えてみると、おかしいのですわ。王仁さんの鍵は偶然私がお預りしていることに気付いたのです。探してみると、ありました。で、ついでにライターとタバコを持って、思いきって出直したのです」

「嘘おっしゃい! 私は鍵なんか、かけてきやしなかったわ」

と、珠緒さんが叫んだ。

「でも、鍵がかかっていたのですもの」

「ははア。それは奇妙ですな。そして、その鍵はどうしましたか」

「又、私が持って戻りました。お部屋に鍵をかけて。私はワザとライターを置き残してきたのです。王仁さんが目をさまして、私の訪れに気がつくように。